極薄電磁鋼板のメリット
モーターやトランスの高効率化に欠かせない「極薄電磁鋼板」について、開発の歴史や鉄損低減をはじめとする数々のメリットを解説します。また、開発や試作に対応できる企業についてもご紹介します。
極薄電磁鋼板とは?薄型化が進んだ開発の歴史と背景
EVやHEVの駆動モーターにおいて、小型軽量化と高出力化のために回転数を高める「高周波化」が進みました。かつては冷間圧延の機械的特性の限界から高Si鋼板の工業生産は困難でしたが、1980年代後半からのCVD法(化学気相蒸着法)などの技術開発を経て、1993年に世界初の工業生産が開始されました。こうした材料の進化に加え、高度な圧延技術による薄型化も進み、最近の高効率モータでは0.2mmや0.15mmといった極薄材が使われています。
参照元:JFEスチール株式会社|JFE スチールの HEV, EV 用無方向性電磁鋼板の最近の進歩(https://www.jfe-steel.co.jp/research/giho/052/pdf/052-03.pdf)
参照元:JFEスチール株式会社|JFE スチールにおける高 Si 電磁鋼板の最近の進歩(https://kurodaprecision.com/jp/products/lp/lp/glue-fastec.html)
極薄電磁鋼板を採用するメリットと鉄損低減効果
電磁鋼板を薄くすることによる最大のメリットは「鉄損低減」です。板厚を薄くすることは、飽和磁化に影響を与えずに、特に周波数の2乗に比例する渦電流損を効果的に抑え、発熱による熱損失を低減できます。0.35mmの最高級クラス材と比較しても優れた低損失性を持ち、無方向性電磁鋼板では、高周波域(例えば20kHz環境下)において0.15mmから0.05mmへ薄肉化することで約40%もの鉄損低減が認められます。また、薄い電磁鋼板はプレス時の打抜き荷重が小さいため、材料内部に導入される加工歪みの領域が狭く抑えられ、プレス加工による鉄損増加(劣化)が小さいという利点もあります。高磁束密度により他材と比較して大幅に鉄心を小型化(断面積縮小)できる点もメリットです。
参照元:JFEスチール株式会社|JFE スチールの HEV, EV 用無方向性電磁鋼板の最近の進歩(https://www.jfe-steel.co.jp/research/giho/052/pdf/052-03.pdf)
参照元:JFEスチール株式会社|JFE スチールにおける高 Si 電磁鋼板の最近の進歩(https://kurodaprecision.com/jp/products/lp/lp/glue-fastec.html)
極薄電磁鋼板を取り扱う会社は?
極薄電磁鋼板を実際に調達・加工できる企業として、日本金属株式会社と飯島精機などの会社が挙げられます。日本金属株式会社は、「板厚0.1mm未満」の極薄電磁鋼帯を提供している会社です。また飯島精機は、1枚からの切り売り、切り板加工に対応しているなど、会社ごとに特徴が見られます。極薄電磁鋼板は開発フェーズや必要ロットによって適切な調達先が異なるため、自社にとってよりよい会社を比較・検討しましょう。
参照元:日本金属株式会社|極薄電磁鋼製品(https://www.nipponkinzoku.co.jp/corporate/business/new-business-development-sect)
参照元:飯島精機|電磁鋼板の切り売り・切り板加工 (https://www.shim-manufacturing-center.com/product/cut-to-size-electrical-steel-sheets/)
まとめ
EVモータ等の高周波化に伴い薄型化が進んだ極薄電磁鋼板は、鉄損低減と小型化に極めて有効です。開発フェーズや必要ロットに応じて、対応できる会社を慎重に選んでいきましょう。
モーターコアメーカー
おすすめ3選
「小ロットで依頼したら断られた…」という会社のために、小ロット試作から量産まで対応しているモーターコアメーカーを厳選。なお、品質担保の観点から、国際的な品質マネジメント規格「ISO9001」取得済みの、信頼できる会社のみをピックアップしています。
コストや個数に応じて
適切な加工法を提案する
- 4つの積層方法から、求められるコストや個数に応じて加工
- 量産要望にも、工数を減らす金型でコストダウンへつなげる
- 主な用途
- 自動車/電気製品/ロボットなど
モーターの効率化に繋がる
難加工素材に対応する
- 加工が難しいアモルファスやパーメンジュールに対応
- 特殊鋼素材の調達ネットワークで用途に合わせた素材を調達
- 主な用途
- 航空機/モータースポーツ/医療機器など
豊富な設備を取り揃え
大型のモーターコアを製作する
- 外径1,300㎜までのモーターコアにも対応
- 顧客の要望に応えるため、新たな設備を積極的に導入
- 主な用途
- 自動車/電気製品/ロボットなど
※選定基準:Google検索で、「モーターコア」及び「積層コア」と検索した際に表示される31社を調査(2022年4月11日調査時点)。その中から、下記の基準に沿って選出しています。
- 飯島精機…ISO9001を取得していてかつ試作品対応の会社の中で、コストや個数に合わせて選択できる加工方法が最も豊富(4種類)
- 守谷刃物研究所…ISO9001を取得していてかつ試作品対応の会社の中で、アモルファスとパーメンジュールの加工事例の掲載が最も多い
- 城山産業…ISO9001を取得していてかつ試作品対応の会社の中で、最も大きな外径の製品まで対応してくれる
