モーターコアのスキューとは?
モーターのスキューはトルクの振動を低減させてスムーズな回転を行うために必要なものです。ここでは、モーターコアのスキューのメリットやコストなどについて解説します。
モーターコアのスキューについて
モーターにスキュー(傾斜)を付けるスキューイングは、モーターステーターやローターに溝を回転方向に対して斜めに配置する構造設計です。軸方向に対して一定の角度で斜めにすることで、ローター磁界とステータ磁界の相互作用が変化してモーターの効率が向上します。
スキューをつけることでコギングトルクと電磁振動を低減したり、トルクムラの低減や騒音・振動を低減したりするメリットがあります。
コギングトルクとは?
コギングトルクはモーターが回転するときの不規則な抵抗力のことで、回転する際に引っ掛かりが生じるためモーターの振動や騒音、効率低下の要因となっています。そのため、製造現場ではコギングトルクを低減するために鉄心の形状を最適化したりローターの磁石やステータ先端の形状を調整したりなど様々な工夫を行っているのです。
コギングトルクによって回転が不均一になるのですが、シャフト回転の抑止力として利用することもあり、ある程度のコギングトルクがあることが望ましいケースもあります。
トルクリップルとは?
トルクリップルは、モーターが回転するときに出力するトルクの変動量です。回転する力である「トルク」が脈動「リップル」するため、トルクリップルと呼ばれています。トルクリップルが大きくなると、騒音や振動が起こる、制御性が悪くなるなど影響が出る恐れがあります。
トルクリップルの原因
- 磁場が不均一になる
モーター内部の磁場が不均一に分布することで発生する - 電流波形がゆがむ
モーター電流にゆがみが出ることで回転力が変動する - 磁極の配置や形状など
永久磁石とコイルによる磁力によってモーターが回転するため磁極の配置などによって回転力が変動する
モーターの構造設計や磁石の形状も影響する恐れがある
モーターコアのローターにスキューを行うメリット
モーターコアのローターにスキューイングをすると、ステーターとローターの間の磁気抵抗変化が滑らかになりコギングトルクが減少します。また、トルクリップルも従来よりも制御できます。
磁場の均一性が向上するためモーターの効率や性能向上も期待できます。
スキューに関するコストの問題
スキューイングをすることによって得られるメリットはさまざまありますが、加工難易度が高く複雑な製造プロセスが必要となれば作業効率が低下する恐れがあります。特に、巻線型のローターモーターはスロットを斜めにすることで巻線が挿入しづらくなるため注意が必要です。
また、スキューイングによってモーター効率が低下する可能性もあります。スキューによって磁場分布が変わることでエネルギー変換が効果的に行われず、損失が増えてしまう恐れがあるのです。
スキューはコストと効率、パフォーマンスなどを総合的に判断して判断することが大切です。
ローターへスキューを行う方法
ローターへのスキューイングは、主に2つの方法で行います。
スキュー着磁
NS極がねじれるように着磁させる方法です。ローターの軸方向に対して傾斜させた着磁パターンのリング磁石を用います。
スキュー鉄心
通常は鉄心を薄い鉄板で積層することで作るのですが、軸方向に対してずらして積層することで溝を斜めにする方法です。軸方向の各断面で形状が異なる必要があります。
- 鉄芯道場 ~縁の下の力持ち、モーターコアで拓く未来~
- モーターコアの基本
- モーターコアの素材として注目される「HLMET」とは
- モーターコアのない「コアレスモーター」とは?
- モーターコアの騒音対策について
モーターコアメーカー
おすすめ3選
「小ロットで依頼したら断られた…」という会社のために、小ロット試作から量産まで対応しているモーターコアメーカーを厳選。なお、品質担保の観点から、国際的な品質マネジメント規格「ISO9001」取得済みの、信頼できる会社のみをピックアップしています。
コストや個数に応じて
適切な加工法を提案する
- 4つの積層方法から、求められるコストや個数に応じて加工
- 量産要望にも、工数を減らす金型でコストダウンへつなげる
- 主な用途
- 自動車/電気製品/ロボットなど
モーターの効率化に繋がる
難加工素材に対応する
- 加工が難しいアモルファスやパーメンジュールに対応
- 特殊鋼素材の調達ネットワークで用途に合わせた素材を調達
- 主な用途
- 航空機/モータースポーツ/医療機器など
豊富な設備を取り揃え
大型のモーターコアを製作する
- 外径1,300㎜までのモーターコアにも対応
- 顧客の要望に応えるため、新たな設備を積極的に導入
- 主な用途
- 自動車/電気製品/ロボットなど
※選定基準:Google検索で、「モーターコア」及び「積層コア」と検索した際に表示される31社を調査(2022年4月11日調査時点)。その中から、下記の基準に沿って選出しています。
- 飯島精機…ISO9001を取得していてかつ試作品対応の会社の中で、コストや個数に合わせて選択できる加工方法が最も豊富(4種類)
- 守谷刃物研究所…ISO9001を取得していてかつ試作品対応の会社の中で、アモルファスとパーメンジュールの加工事例の掲載が最も多い
- 城山産業…ISO9001を取得していてかつ試作品対応の会社の中で、最も大きな外径の製品まで対応してくれる
