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モーターコアのない「コアレスモーター」とは?

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構造的にモーターコア(鉄心)を持たないモーターは「コアレスモーター」と呼ばれ、産業用ロボットなど幅広い場面で活用されています。

コアレスモーターとは

コアレスモーターとは、一般的に活用されている「鉄心(モーターコア)」を構造的に含んだモーター(コア付きモーター)に対して、コアを持っていないモーターの総称です。

コア付きモーターでは鉄の芯棒にコイルを巻き付けたコアがローターに備えられていますが、コアレスモーターは文字通りコアが使われておらず、コイルは筒状やかご状で巻かれており、そのコイルの内側に強力な永久磁石を配置するといった構造が採用されています。

コアレスモーターの場合、永久磁石とコイルの間は磁場の相互作用によって中空となっており、磁場の相互作用によってモーターが回転するという点では従来のコア付きモーターと同様である一方、鉄心がないことでコアレスモーター独自の特性や機能を獲得していることが特徴です。

コアレスモーターの構造について

コアレスモーターの構造はコアを持たないだけでなく、コア付きモーターと複数の点で違いがあります。

コイルの巻き方・配置

前述したようにコア付きモーターが回転軸となる鉄心にコアを巻き付けているのに対して、コアレスモーターではコイルが筒状などの形で巻かれており、回転軸と直接に接することがありません

ローター部分の軽量化と低慣性

コアレスモーターでは鉄心がローター(回転部分)の中心軸とする必要がないため、ローター全体の軽量化を叶えられることも構造的特徴です。また、これによって慣性による影響が低減され、加速や減速といった調整に対するレスポンスが素早いこともポイントです。

永久磁石の配置

コアレスモーターはコイルの内側に強い磁力を持った永久磁石が配置されており、コイルと永久磁石の磁場の相互作用によって回転運動が生じる仕組みとなります。なお、回転軸は永久磁石の中央に配置されます。

コア付きのモーターとコアレスモーターの違いは?

仕組みの違い

コア付きモーターとコアレスモーターの最大の違いは、鉄心を持つかどうかという構造的な違いです。同時に、その違いによる物理的作用などによってコア付きモーターとコアレスモーターの特性や機能の違いが生じていることも重要です。

コア付きモーターとコアレスモーターにはそれぞれメリットとデメリットがあり、用途に合わせて適切に使い分けることが肝要となります。

コア付きモーターのメリット・デメリット

コア付きモーターのメリットとして、まず従来から使用されているモーターであり、すでに広く普及している点が挙げられます。加えてコアが磁場を増幅する役目を担っており、結果的にモーターのトルクを高められることもメリットです。

一方、コアが存在することで慣性が増大され、回転のレスポンスが遅くなり発熱量も増大します。

コアレスモーターのメリット・デメリット

コアレスモーターはコアを持たないことで軽量化・小サイズ化されており、回転のレスポンスが早く、発熱量を抑えられることがメリットです。そのため精密動作が求められる機械や、コンパクトな機器などに有用です。

反面、トルク面ではコア付きモーターに劣りやすく、また製造コストに関しても割高になりやすいことは無視できません。

コアレスモーターの主な用途

小型デバイス

軽量化や小サイズ化といったニーズに適したコアレスモーターは、例えば小型のドローンや省スペース化を目的とした産業用機器、あるいは小型カメラやセンサーなど小サイズのデバイスなどに使用されます。

一方、継続的に大きなトルクを出したい場合や大サイズの産業用機械などを製造したい場合、大型のコアレスモーターでは費用対効果が低下するため、コア付きモーターが適していると考えられるでしょう。

医療機器

モーターの回転レスポンスが早く、慣性や発熱による影響を受けにくいコアレスモーターは精密動作を求める場面や、周辺への熱影響などを抑えたい場面などに適しています。

一例としては、コアレスモーターは精密かつ複雑な操作が必須となる医療機器や、微細な部品を適切に配置しなければならない精密機器の製造機器などに用いられることが特徴です。その他にもデジタルカメラのレンズ駆動装置や時計のムーブメントなどにも採用されます。

産業用ロボット

コアレスモーターが重用される対象として、産業用ロボットのアーム部分が挙げられます。

コアレスモーターの特徴として端子間抵抗が低いというものがあり、少ないエネルギーで瞬間的に高トルクを生み出すことが可能です。これに加えてコアレスモーターの軽量性と反応性といったメリットを合わせることで、高効率かつ精密なロボットアームの制御が可能となり、幅広い分野の製造現場などでコアレスモーターを採用した産業用ロボットが活用されています。

 
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