モーターコアの素材として注目される「HLMET」とは
このページでは独自の軟磁性材料「HLMET(ヘルメット)」について、特徴や利用される業界などについて紹介・解説します。チェックして参考にしてください。
HLMETとは
HLMET(ヘルメット)は、鉄基結晶前駆体からなる超微細金属組織を有する軟磁性材料であり、ネクストコアテクノロジーズ社が開発した素材です。電磁鋼板並みのBs:1.8Tを確保しつつ鉄基アモルファスと同等レベルの低鉄損性能を持っているコア素材であり、高い磁束密度であることから磁気飽和がしづらくなっているため、さまざまな高性能アプリケーションに用いられることが期待されています。NCTの技術を活用することでプレス加工のしやすさも確保されているため大量生産が可能であり、産業界での幅広い応用が期待されています。
HLMETは従来の電磁鋼板に比べてどんな特徴がある?
「鉄損」が少ない
「鉄損」とは鉄によるエネルギー損失を意味しています。「低鉄損コア材」とはモーターやトランス、発電機などの電磁機器で使用される磁場を通すための中心部分の材料である「コア材」のうち、鉄損が少ないものをいいます。HLMETは低鉄損コア材に分類され、高性能モーター用のコア材として開発されており、従来の電磁鋼板よりも効率的なモーターの運転が可能となっています。
量産にも適している
HLMETは従来の電磁鋼板とほぼ同水準の飽和磁束密度を保持しながら鉄損が従来の10分の1まで低減しています。モーターの損失を減らしながら高性能化を目指せるのですが、これまで開発されてきた似た特性を持つ鋼板素材には数々の課題がありました。硬度を高めればその分だけ加工性が悪化し量産には向かないとされていましたが、HLMETの場合には打ち抜き加工が容易になったことで量産に適した素材として実用化されており、この点が革新的であるとして今後の普及が期待されています。
今後の拡大に注目
HLMETは「電磁鋼板を進化させた新しい素材」として注目されており、今後グローバルな展開が進められるとされています。電磁鋼板の市場規模に関しては市場調査レポート販売の「グローバルインフォメーション」の分析によると、2023年に517億6000万ドル(約8兆2000億円)に達し、2030年には「820億5000万ドル(約12兆9700億円)」という市場規模まで拡大すると予測されています。鉄鋼業界は特に市場の変動が激しいとされていますが、この分野は今後も成長していくと見込まれています。
「HLMET」を用いたモーターが利用される業界は?
自動車業界(EV)
電気自動車(EV)の普及において最大の課題の一つが、一回の充電で走行できる航続距離です。HLMETは鉄損が低いため、バッテリーの電力消費の抑制が可能。つまり、同じバッテリー容量でも、モーターでのエネルギーロスが少なくなるため、より長い距離を走行することにも繋がります。
産業用ロボット業界
製造ラインの自動化に欠かせない産業用ロボットは、そのアームなどをいかに速く、そして正確に動かせるかが生産性を左右します。HLMETを搭載したモーターは、エネルギーロスを抑えられるため、モーターの回転をより素早く精密に制御しやすくなります。結果としてロボットアームの動作速度と位置決めの精度の向上が期待できます。
航空宇宙・ドローン業界
物流やインフラ点検など、その活用範囲が急速に広がっているドローンや、実用化が期待される「空飛ぶクルマ」といった次世代の飛行体などにおいて、HLMETの活用が期待されています。ドローンなどの性能を決定づける最も重要な要素の一つが飛行時間ですが、HLMETを用いた高効率なモーターを用いることで、バッテリーの消費を抑えることも目指せます。
モーターコアメーカー
おすすめ3選
「小ロットで依頼したら断られた…」という会社のために、小ロット試作から量産まで対応しているモーターコアメーカーを厳選。なお、品質担保の観点から、国際的な品質マネジメント規格「ISO9001」取得済みの、信頼できる会社のみをピックアップしています。
コストや個数に応じて
適切な加工法を提案する
- 4つの積層方法から、求められるコストや個数に応じて加工
- 量産要望にも、工数を減らす金型でコストダウンへつなげる
- 主な用途
- 自動車/電気製品/ロボットなど
モーターの効率化に繋がる
難加工素材に対応する
- 加工が難しいアモルファスやパーメンジュールに対応
- 特殊鋼素材の調達ネットワークで用途に合わせた素材を調達
- 主な用途
- 航空機/モータースポーツ/医療機器など
豊富な設備を取り揃え
大型のモーターコアを製作する
- 外径1,300㎜までのモーターコアにも対応
- 顧客の要望に応えるため、新たな設備を積極的に導入
- 主な用途
- 自動車/電気製品/ロボットなど
※選定基準:Google検索で、「モーターコア」及び「積層コア」と検索した際に表示される31社を調査(2022年4月11日調査時点)。その中から、下記の基準に沿って選出しています。
- 飯島精機…ISO9001を取得していてかつ試作品対応の会社の中で、コストや個数に合わせて選択できる加工方法が最も豊富(4種類)
- 守谷刃物研究所…ISO9001を取得していてかつ試作品対応の会社の中で、アモルファスとパーメンジュールの加工事例の掲載が最も多い
- 城山産業…ISO9001を取得していてかつ試作品対応の会社の中で、最も大きな外径の製品まで対応してくれる
