加工方法は?
モーターコアは、プレス加工した電磁鋼板を、一定枚数積み重ねて(積層)作るのが一般的です。ここでは、モーターコアの3つの加工方法の特徴と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
モーターコア(積層コア)の主な3つの加工方法
カシメ積層(ダボ積層)
方法
金型で成形した薄手の電磁鋼板に「ヘコミ」と「ダボ」を成形し、それを押し込むことで2つ以上の部品をカシメながら接合していく加工方法です。
量産性に優れているため、大量に高精度な積層コアが必要な分野で採用されています。
メリット・デメリット
カシメ積層のメリットは、より強固な接合ができる点です。実績が豊富で、ノウハウが蓄積されている点もメリットでしょう。
また、プレス以降のプロセスを半自動化することが可能なため、レーザー溶接方式や接着方式と比べて低コストで供給することが可能です。
ただし、電磁鋼板にヘコミを造ることで、その部位に鉄損が生じて効率が下がる点はデメリット。また、金型自体の精度が求められるので注意が必要です。
主な用途
- ロボット用
- 自動車用
- 医療機器用
レーザー溶接(溶接積層)
方法
積層パーツを溶接によって接合するレーザー溶接は、高精度小形薄板積層品を量産するために開発された技術です。
一般的なTIG溶接と違って細いビード幅で深く溶け込むため、熱影響による歪みや変形がほとんどなく、溶接痕も綺麗なのが特徴です。
メリット・デメリット
レーザー溶接方式は、極小形状から大型コアまで確かな固着力を実現できるので、費用、納期、品質のバランスが良い加工方法と言われています。
また、高い精度は必要とされず、小さい加工品にも対応することができます。
ただし、レーザー溶接ではレーザー溶接機が必要なため、カシメ積層と比べて、費用が高くなります。
主な用途
- スマートフォン用
- 極小モーター用
接着積層
方法
1枚1枚の薄板に接着剤を塗布して、電磁鋼板を積層固着する加工方式です。絶縁状態を保ちながら、金型内で自動的に積層を行うことが可能です。
電磁鋼板の薄手化にも対応している上、接着性が高いため振動が小さく、モーターの高回転にも耐えることができます。
メリット・デメリット
一番のメリットは、加工がない分、鉄損のロスが生じない点です。また、さまざまな形状のモーターコアに接着剤を塗布することが可能です。これまでの接着剤では、モーターが発する熱で溶けてしまうという課題がありましたが、近年は特殊な材料を用いた工法が開発され、問題をクリア。
レーザー溶接方式と比べて製作時間が長く、費用が高くなりがちですが、他の方式と比較してモーター特性が向上するとして注目されています。
主な用途
- 医療機器
モーターコアメーカー
おすすめ3選
「小ロットで依頼したら断られた…」という会社のために、小ロット試作から量産まで対応しているモーターコアメーカーを厳選。なお、品質担保の観点から、国際的な品質マネジメント規格「ISO9001」取得済みの、信頼できる会社のみをピックアップしています。
コストや個数に応じて
適切な加工法を提案する
- 4つの積層方法から、求められるコストや個数に応じて加工
- 量産要望にも、工数を減らす金型でコストダウンへつなげる
- 主な用途
- 自動車/電気製品/ロボットなど
モーターの効率化に繋がる
難加工素材に対応する
- 加工が難しいアモルファスやパーメンジュールに対応
- 特殊鋼素材の調達ネットワークで用途に合わせた素材を調達
- 主な用途
- 航空機/モータースポーツ/医療機器など
豊富な設備を取り揃え
大型のモーターコアを製作する
- 外径1,300㎜までのモーターコアにも対応
- 顧客の要望に応えるため、新たな設備を積極的に導入
- 主な用途
- 自動車/電気製品/ロボットなど
※選定基準:Google検索で、「モーターコア」及び「積層コア」と検索した際に表示される31社を調査(2022年4月11日調査時点)。その中から、下記の基準に沿って選出しています。
- 飯島精機…ISO9001を取得していてかつ試作品対応の会社の中で、コストや個数に合わせて選択できる加工方法が最も豊富(4種類)
- 守谷刃物研究所…ISO9001を取得していてかつ試作品対応の会社の中で、アモルファスとパーメンジュールの加工事例の掲載が最も多い
- 城山産業…ISO9001を取得していてかつ試作品対応の会社の中で、最も大きな外径の製品まで対応してくれる